AI探検隊

Ctrl + マウスのホイールで、画面表示と文字を拡大できます 挿入画像はクリックすると拡大表示できます

YOMITOKU EP08 | 深掘り考察

大阪の土地が、9.2%上がった。

2026年3月に公表された地価公示で、大阪市の全用途平均は+9.2%。全国平均+2.8%の3倍以上で、24区すべてがプラスだった。 いちばん上がったのは道頓堀の+25.0%。ここまでなら「インバウンドで観光地が上がった」という話で終わる。 ところが上昇率トップ10を開くと、観光地はたった2地点しかない。動画EP08では12分でその中身を追った。この記事では、区ごとの温度差と、動画で言い切らなかった但し書きまで含めて読み直す。

最終更新:2026年9月3日
動画EP08「大阪の土地が9.2%上がった」のサムネイル。24区ぜんぶ上がった、というコピー
この回の1枚24区ぜんぶ上がった。下落した区は、ひとつも無かった。サムネイル: 動画EP08より(大阪探検隊作成)

まず、動画で12分

サムネイルを押すと、このページのまま再生できます

動画で12分、記事でその裏側を。区ごとの数字と、動画に入りきらなかった但し書きをこのページにまとめています。

YouTubeで見る

この回の数字

+9.2% 大阪市の全用途平均変動率
24区すべて プラス圏の区
+25% 道頓堀1丁目の上昇率

※ 数字は動画公開時点の公表値です。統計や計画は更新されるため、最新値は各公表元でご確認ください。

① 全国の3倍以上で上がった、という一年

まず、この数字がどういう統計なのかを揃えておく

2026年3月18日、国土交通省が令和8年の地価公示を公表した。価格時点は2026年1月1日。全国25,565地点、大阪府では1,687地点の標準地について、正常な価格を国の土地鑑定委員会が判定する制度で、始まったのは昭和45年(1970年)にさかのぼる。土地取引の指標や、公共事業の用地補償の基準として使われる。

大阪市の数字は、こうなった。

全用途令和7年 +8.2% → 令和8年 +9.2%(平均価格 1,182,800円/㎡)
住宅地+5.8% → +6.5%(300,900円/㎡)
商業地+11.6% → +12.7%(2,477,000円/㎡)
工業地+7.5% → +8.5%(169,300円/㎡)
全国2.8%・大阪圏3.8%・三大都市圏4.6%に対し、大阪市が9.2%と突出していることを示した棒グラフの図解
図解①大阪市の+9.2%は、全国平均+2.8%の3倍以上。ただし「大阪圏」で見れば+3.8%にとどまる。図解: 動画EP08より(大阪探検隊作成)

比較の物差しも置いておく。同じ令和8年の全用途平均は、全国+2.8%、三大都市圏+4.6%、東京圏+5.7%、大阪圏+3.8%、名古屋圏+2.3%、地方圏+1.2%。大阪圏は東京圏に次ぐ2位で、名古屋圏を上回る。

ここで大事なのは、「大阪圏+3.8%」と「大阪市+9.2%」が同時に成り立っていることだ。府全体で見れば住宅地+2.8%・商業地+8.5%で、大阪市とはかなり温度が違う。地域別の住宅地を並べると、大阪市6.5%/北大阪3.7%/東部大阪1.7%/南大阪1.3%。同じ大阪府でも、上がっている場所はかなり絞られている。

淀川越しに望む梅田のビル群のスカイライン
淀川と梅田この輪郭の下で、土地の値段が1年で1割近く動いた。写真: Sakai Yayoi(CC0 / Wikimedia Commons

② 24区ぜんぶプラス。ただし温度は4倍ちがう

上がった街と、置いていかれた街

大阪市24区の全用途平均変動率を降順に並べた横棒グラフの図解。西区15.1%から平野区3.9%まですべてプラス
図解②24区すべてがプラス圏。ただし最上位の西区と最下位の平野区では、上がり方が約4倍ちがう。図解: 動画EP08より(大阪探検隊作成)

区ごとの全用途平均変動率(令和8年)を上から並べると、西15.1%/中央15.0%/浪速14.8%/北13.3%/福島11.9%。下から並べると、平野3.9%/生野4.2%/東住吉4.9%/西淀川5.4%/大正5.5%。市内全域の平均は9.2%で、上位と下位では上がり方に約4倍の開きがある。

それでも、下落した区はひとつも無い。ここは強調しておいていい。大阪府全体で見ても商業地は353地点すべてが横ばい以上で、府の資料は「下落となった市区町村はなし」と書いている。住宅地には府内で150地点(12.7%)の下落があるが、下落率の上位10地点は岬町・八尾市・熊取町・泉南市に集中していて、大阪市内は入っていない。

ただし、「大阪市内の下落地点はゼロ」と地点数で明記した一次資料は見つかっていない。区別・用途別の平均変動率がすべてプラスであることは公式PDFで確認できるので、この記事では「下落は報告されていない」という書き方にとどめる。

おもしろいのは阿倍野区で、24区のうちここだけ上がり方が縮んだ(令和7年7.6% → 令和8年7.1%)。値段は上がり続けているが、勢いは前年より落ちている。全部プラスという見出しの内側にも、方向の違う動きが混じっている。

③ 上昇率トップ10のうち、観光地は2つだけ

この回の主役はここ。インバウンド説が半分しか当たらない理由

大阪市の商業地で、いちばん上がったのは中央区道頓堀1-6-10(標準地番号 大阪中央5-19)。令和7年の760万円/㎡から950万円/㎡へ+25.0%。大阪府・大阪市の商業地でも全用途でも上昇率1位で、全国の商業地でも8位に入る。2位は中央区西心斎橋2-1-25の+19.5%。ここまでは、たしかにミナミの観光地だ。

ところが3位から下は、景色が変わる。

1位中央区道頓堀1-6-10 +25.0%(950万円/㎡)/観光地
2位中央区西心斎橋2-1-25 +19.5%(460万円/㎡)/観光地
3位西区立売堀1-9-15 +19.4%(191万円/㎡)/オフィス・住宅
4位西区北堀江1-14-24 +18.6%(223万円/㎡)/オフィス・住宅
5位浪速区桜川2-11-20 +18.5%(80.8万円/㎡)/オフィス・住宅
6位北区豊崎3-20-10 +18.4%(270万円/㎡)/福島6-20-2 +18.4%(180万円/㎡)
8位西区西本町2-1-34 +18.4%(251万円/㎡)/オフィス・住宅
9位北区豊崎3-13-6 +18.2%(143万円/㎡)/オフィス・住宅
10位北区大淀南1-10-9 +18.1%(209万円/㎡)/オフィス・住宅
大阪市の上昇率トップ10を並べた表の図解。1位と2位だけが観光地で、3位以下はオフィス・住宅の街
図解③トップ10のうち観光地は2つ。残り8つは立売堀・北堀江・桜川・豊崎といった、観光客が行かない街だった。図解: 動画EP08より(大阪探検隊作成)

立売堀、北堀江、桜川、豊崎、西本町、大淀南。いずれもオフィスと住宅が混じった、観光ガイドには載らない場所である。「インバウンドで大阪の地価が上がった」は、上位2地点までしか説明できない。6位が2地点あるのは小数第2位以下の四捨五入による。

ついでに、価格の桁にも目を向けたい。1位の道頓堀は950万円/㎡だが、5位の桜川は80.8万円/㎡。上昇率の順位は、値段の順位とはまったく別物である。次の章で、この点はさらにはっきりする。

④ 上がり方は、3種類あった

「誰が買っているか」で、同じ“上がった”の意味が変わる

上がり方を外から来たお金・中のお金・未来のお金の3種類に分けて示した図解
図解④外から来たお金、中のお金、未来のお金。3つが同じ市内で同時に動いている。図解: 動画EP08より(大阪探検隊作成)

①外から来たお金。大阪市の資料は商業地についてこう説明している。「インバウンド需要の大きいミナミの商店街・飲食街などの地域では、店舗・ホテルの需要が高まっている。店舗は空き室がない状態で賃料は上昇しており、浪速区は15.5%、中央区は15.5%と上昇幅が拡大した」。背景の数字として、大阪観光局の推計では2025年(1〜12月)に大阪を訪れた外国人は1,763.5万人(対2024年比121%)。全国4,268.4万人の4割強がミナミやキタを歩いた計算になる。

②中のお金。住宅地の説明は別だ。「中心部の富裕層向け物件の需給がタイトであり、西区は10.5%、北区は9.2%、福島区は8.3%、天王寺区は7.6%と上昇幅が拡大した」。西区の住宅地+10.5%は、市平均+6.5%の1.6倍にあたる。さらに「中心部における供給不足感から隣接区にも需要の波及が見られ」として、浪速区10.9%、城東区8.9%、鶴見区8.8%、都島区8.5%、東淀川区8.5%、東成区8.4%、淀川区7.8%が並ぶ。都心が埋まって、隣へこぼれたという順番である。

大阪府内の集合住宅(東大阪市)の外観
住宅地のイメージ大阪府内の集合住宅(東大阪市で撮影)。住宅地の上昇は、観光客ではなく「住みたい人」が押し上げている。写真: Mr.ちゅらさんCC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

その「住みたい人」は実際に増えている。大阪市の推計人口は2,818,354人(令和8年8月1日現在)。直近の月次では自然動態▲1,080人に対して社会動態+1,807人で、転入が自然減を上回っている。2023年の転入超過は32,112人で近年最高、そのうち15〜29歳が23,380人を占める。1965年に315.6万人でピークを打ってから減り続けた街が、いま逆方向に動いている。

③未来のお金。3つめは、まだ建っていないものに値段がつく型だ。うめきた2期のグラングリーン大阪(南街区は2025年3月21日グランドオープン)、大阪城東部の森之宮(地区面積 約53ha、大阪公立大学の森之宮キャンパスは2025年秋に開設)。この種の期待は、地価公示の1地点の数字としては切り出せない。だから図解では、金額の代わりに「まだ建っていないものに値段がついている」と書いた。

⑤ いちばん高い土地は、ほとんど上がっていない

上昇率は「勢い」、価格は「格」

価格1位中央区宗右衛門町7-2(通称デカ戎橋ビル)2,500万円/㎡・+6.4%
価格2位北区大深町4-20(グランフロント大阪 南館)2,470万円/㎡+1.6%
上昇率1位中央区道頓堀1-6-10 950万円/㎡・+25.0%
住宅地 価格1位福島区福島3-1-55 147万円/㎡・+8.9%
価格1位の宗右衛門町、価格2位のうめきた大深町、上昇率1位の道頓堀を並べ、変動率を市平均・全国平均の線と比較した図解
図解⑤うめきた・大深町の+1.6%は、市平均+9.2%どころか全国平均+2.8%よりも下にある。図解: 動画EP08より(大阪探検隊作成)

いちばん高い土地の動きが、いちばん鈍い。宗右衛門町の+6.4%は市平均(+9.2%)以下で、グランフロント大阪 南館の+1.6%にいたっては全国平均(+2.8%)にも届かない。すでに値段が入り切っている土地は、これ以上ふくらむ余地が小さい、と読める。

もうひとつ、首位の交代がある。グランフロント大阪は平成25年から令和6年まで12年連続で大阪府商業地の価格1位だったが、令和7年に道頓堀のすぐそばにあるデカ戎橋ビルへ1位を明け渡し、令和8年も2位のままだ。キタからミナミへ、大阪でいちばん高い土地の座が移った——という言い方はできる。ただし2位との差は30万円/㎡(約1.2%)で、来年また入れ替わってもおかしくない僅差である。

⑥ これは、バブルなのか

40年の折れ線に、いまの+12.7%を置いてみる

大阪市商業地の変動率40年の折れ線グラフの図解。昭和63年ごろの約プラス45%と平成5年ごろの約マイナス25%、令和8年のプラス12.7%を注記
図解⑥昭和63年ごろの山は約+45%。平成のほとんどは0%より下にあった。※昭和63年・平成5年の値は原典グラフからの読み取り(原典に数値表示なし)。図解: 動画EP08より(大阪探検隊作成)

大阪市の商業地の変動率を40年分並べると、バブル期のピークは昭和63年ごろで約+45%。崩壊後の底は平成5年ごろで約−25%。この2つは原典グラフに数値ラベルが無いため、あくまで読み取り値で「約」を外せない。確定値は右端の令和8年+12.7%だけである。

その前提で言えば、いまの上昇はバブル期の3割に届かない程度の傾きだ。形が似ているかどうかと、同じ現象かどうかは別なので、この記事はどちらとも断定しない。判断の材料になりそうな足元の数字だけ置いておく。

オフィス空室率大阪ビジネス地区 2026年7月 3.24%(前月比+0.17pt)。平均募集賃料 13,411円/坪。梅田2.63%・淀屋橋本町3.95%・心斎橋難波1.35%(三鬼商事)
新築マンション大阪市 2026年7月の平均価格 7,566万円(前年同月比+39.0%)、㎡単価152.7万円。発売792戸・初月契約率75.5%(不動産経済研究所 2026年8月20日)。※単月値で振れが大きい
不動産投資額日本全体の2026年上期は3兆7,517億円(+17%・上期として過去最高)、うち海外投資家1兆1,105億円(+1%)(JLL 2026年8月)

空室率3.24%は、新築の竣工と大型解約で前月より0.17ポイント悪化している。数字が全方向に強いわけではない、ということは押さえておきたい。

⑦ 上がり方は2倍、値段は8倍。そして暮らしに返ってくる

住む土地と、商う土地は、まったく別のゲームになっている

住宅地と商業地の変動率と平均価格を比べ、上がり方は約2倍・値段は約8倍の差があることを示した図解
図解⑦変動率は住宅地+6.5%に対し商業地+12.7%で約2倍。価格は300,900円/㎡に対し2,477,000円/㎡で約8倍。図解: 動画EP08より(大阪探検隊作成)

住宅地と商業地を並べると、上がり方でおよそ2倍、値段でおよそ8倍の差がある。同じ「大阪の地価が上がった」という一文の中に、性質の違う2つの動きが入っている。

では、住んでいる側にはどう返ってくるのか。三つの経路がある。

家賃。大阪府の消費者物価指数の公表ページでは、「住居:家賃(民営家賃)」が物価上昇に大きく寄与した費目として挙げられている。ただし具体的な上昇率は今回確認できていないので、この記事では%を出さない。

固定資産税。土地・家屋の固定資産税評価額は3年に1度「評価替え」される。直近の基準年度は令和6年度(2024年度)で、次は令和9年度(2027年度)。つまりいまは、地価が大きく動いているのに税額側がまだ追いついていない期間にあたる。なお地価公示価格と固定資産税評価額は別の数字で、実際の税額は負担調整措置を通じて段階的に反映される。

宿泊税。観光需要の側からも制度が動いた。大阪府の宿泊税は2025年9月1日に改正され、免税点が7,000円未満から5,000円未満へ引き下げられた。税額は5,000円以上15,000円未満で200円、15,000円以上20,000円未満で400円、20,000円以上で500円(いずれも1人1泊)。改正前は100円・200円・300円だった。大阪市独自の宿泊税は導入されていない。

大阪のシャッターが閉まった商店街の通り
置いていかれた街市内のすべてがプラスでも、上がり方には4倍の差がある。写真: Japanexperterna.seCC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons)
24区ぜんぶがプラス、という見出しは正しい。ただし上がり方が4倍ちがう街を、同じ「上がった」という言葉でまとめている。地価の数字は、街の輪郭をぼかしもするし、はっきりさせもする。

動画では言い切らなかったこと

12分に入りきらなかった但し書きと、断定できない部分

「9.1%」ではなく「9.2%」。企画段階では大阪市の全用途平均を+9.1%(前年+8.4%)としていたが、大阪市計画調整局の公式PDFで確認したところ+9.2%(前年+8.2%)だった。住宅地・商業地も、二次情報の「6.4%/12.4%」ではなく公式の6.5%/12.7%を採っている。

「大阪市内の下落地点ゼロ」は、地点数で明記した一次資料が無い。区別・用途別の平均がすべてプラスであること、府全体の商業地に下落市区町村が無いこと、住宅地の下落率上位10地点が市外であることまでは確認できたが、断定は避けて「報告されていない」と書いた(未確認)。

家賃の上昇率(%)は出していない。大阪府の統計ページで「家賃が物価上昇に寄与」という定性的な記載は確認できたが、実数の一次確認には至らなかった(未確認)。

「路線価は公示地価の約80%、固定資産税評価額は約70%」は業界の通説。広く使われる目安だが、今回のリサーチでは国税庁・総務省の一次資料で数値の明記を確認していない(未確認)。

大阪市単体の5年推移は、数値ラベルが取れない。公式PDFにグラフはあるが年次の数値表示が無いため、5年の系列は大阪府全域のもの(住宅地 R4 0.1%→R8 2.8%、商業地 R4 ▲0.2%→R8 8.5%)を使うか、大阪市の直近2年(8.2%→9.2%)に絞るのが安全だ。

区別の人口社会増減は未確認。「都心回帰」の傍証として区別の地価上昇率は使えるが、どの区が転入超過なのかという純移動データは今回取っていない(未確認)。

森之宮の新駅は2028年春が目標とされるが、報道ベース。大阪府の公式ページ本文には具体的な年月の明記がない(未確認)。

インバウンド消費額(大阪府 約1兆6,000億円/2025年)も報道ベース。会見資料そのものは確認できていないため、本文では来訪者数(1,763.5万人)のみを使った。

2026年9月時点の続報

動画公開(2026年8月30日)のあと、確認できた動き

アップデート(2026-09-03 時点)

9月の「基準地価」は、この記事とは別の統計です:本記事が扱っているのは3月公表の地価公示(価格時点1月1日)。9月に公表されるのは都道府県が実施する都道府県地価調査(基準地価)で、価格時点は7月1日です。2026年分は9月3日時点でまだ公表されていません。前年は国土交通省が9月16日に公表し、大阪府が9月17日に公報しました。2026年も9月中旬〜下旬が目安と見られます(推定)。公表後、この節を更新します。

オフィス市況:2026年7月の大阪ビジネス地区の空室率は3.24%(前月比+0.17pt)、平均募集賃料13,411円/坪(+85円)。新築竣工と大型解約で空室面積が約4,000坪増えました。6月は3.07%。8月分は9月10日に公表予定(三鬼商事)。

新築マンション:2026年7月の大阪市の平均価格は7,566万円(前年同月比+39.0%)、㎡単価152.7万円(+48.4%)、発売792戸(+146.0%)、初月契約率75.5%(不動産経済研究所 2026年8月20日)。単月値は高額物件の供給構成で大きく振れるため、参考として2026年上半期の近畿圏平均は5,453万円・㎡98万円です。

海外マネー:大阪単独の2026年夏の取得総額を示す公表資料は確認できていません。日本全体では2026年上期の不動産投資額が3兆7,517億円(+17%)で上期として過去最高、うち海外投資家は1兆1,105億円(+1%)でした(JLL 2026年8月)。

出典・参考

数字は下記の公表資料から。リンクは別タブで開きます

※ 本文中の図解は、上記の公表資料をもとに大阪探検隊が再構成したものです。制度・計画・統計は更新されるため、最新値は各公表元でご確認ください。この記事は投資判断のための助言ではありません。

よくある質問

大阪の地価が上がったのは、インバウンドのせいですか?

それだけではありません。2026年の地価公示(価格時点2026年1月1日)で大阪市の上昇率トップ10を見ると、観光地といえるのは1位の道頓堀1-6-10(+25.0%)と2位の西心斎橋2-1-25(+19.5%)の2地点だけです。3位以下は西区立売堀、西区北堀江、浪速区桜川、北区豊崎といったオフィス・住宅の街が並びます。国土交通省・大阪市の資料でも、インバウンドによる店舗・ホテル需要と、都心に住みたい人の住宅需要が同時に働いたと説明されています。

いちばん高い土地は、どこですか?

大阪府・大阪市とも商業地の価格1位は中央区宗右衛門町7-2(通称デカ戎橋ビル)で、2026年は2,500万円/㎡(+6.4%)。2位は北区大深町4-20のグランフロント大阪 南館で2,470万円/㎡(+1.6%)です。グランフロント大阪は2013年から12年連続で大阪府の商業地価格1位でしたが、2025年にミナミへ首位を明け渡しました。上昇率でいえば大深町の+1.6%は全国平均(+2.8%)よりも低く、価格の「格」と上昇の「勢い」は別物であることが分かります。

9月に発表される地価のニュースは、この記事と同じものですか?

別の統計です。この記事が扱っているのは、国土交通省が毎年3月に公表する「地価公示」(価格時点1月1日)で、2026年は3月18日の公表分です。9月に公表されるのは都道府県が実施する「都道府県地価調査(基準地価)」で、価格時点は7月1日です。2026年の基準地価は本記事の更新時点(2026年9月3日)ではまだ公表されておらず、前年は9月16日〜17日の公表でした。公表後にこのページへ追記します。

探検隊のはじまりは、万博の記録

このサイトの原点は大阪・関西万博2025。数字で読み解いたあとは、実際に歩いた半年間の記録もどうぞ。

万博体験記シリーズ 記録写真ギャラリー